こんばんは、とらねこです。
皆さんはストップ高という言葉をご存知でしょうか。
ストップ高とは「その日の値幅制限の上限値まで株価が上昇すること」をいいます。
その日の上限値まで株価が上昇するのですから、その銘柄を持っていれば大幅に利益を得ることができます。
もちろんストップ高になる材料が出現することが前提ですが、銘柄の”仕込み”にあたってストップ高になりやすい銘柄を選択することは1つの戦法となります。
そこで今日は、先日掲載した2018年ストップ高銘柄一覧をもとに、ストップ高しやすい市場がどこか調べることにしました。
月別ストップ高銘柄数
まず初めに2018年ストップ高銘柄数を月別に集計した下表をご覧ください。
2018年中に出現したストップ高銘柄数は全部で2,026件でした。
なおこの一覧は、東証1・2部、JQ、JQG、マザーズに上場している企業のみを集計しており、その他市場に上場している企業は含まれません。
2018年の開場日数は245日なので、1日につき約10件近い銘柄がストップ高になっていることが分かります。意外と多いですね。
単純集計だとジャスダックが最も多い
次に下図をご覧ください。
下図は、先ほどの表で集計した市場別ストップ高数をもとに、市場別ストップ高出現率を円グラフにしたものです。
比率を見ると、JQが年間ストップ高の1/3を占めていることがわかります。これは、東証1部のちょうど2倍ですね。ちなみにマザーズは全体の1/4です。
ということで、
「最も出現率が高いのは、JQ銘柄だ」ということが分かります。
上場企業数を加味しても新興市場の出現率は高い
しかし何かおかしいような・・・。
そうです!
市場によって上場企業数が異なることを考慮に入れなければなりません。
その市場に上場する企業が多ければ多いほど、ストップ高になる銘柄が多くなりますよね。
極端な例を挙げると、1000社が上場する市場で10社ストップ高するのと、10社が上昇する市場で10社ストップ高するのでは、圧倒的に前者のほうが簡単ですよね。
そこで集計したのが次の表になります。
aで各市場に上場する企業数を集計しました。これは2018年12月末時点で集計したものです。上場企業数はやはり東証1部が圧倒的な企業数です。
bは年間の開場日数を調べたものです。
cはaとbを掛け合わせたもので、市場全体として全銘柄が毎日ストップ高したら何回になるか計算したものです。
上場企業数・開場日数を考慮した市場別ストップ高出現率(e)は、年間のストップ高出現数(d)を年間のストップ高になり得た回数(c)で割ったものになります。
出現率(e)をご覧ください。各市場のストップ高出現率を見るとJQG以外全て1%未満。JQGも1.5%という低出現率・・・。好材料の出現がいかに少ないかを実感させられます・・・。
次に倍率(f)をご覧ください。この倍率は、東証1部における出現率を1としたときの、各市場におけるストップ高出現倍率を表したものです。これを見れば、東証1部と比較してどれだけストップ高が出現しやすいか簡単に判断することができます。
この倍率をみると、JQで東証1部より6倍、マザーズで東証1部より10倍、ストップ高が出現しやすいことが分かります。
この記事の最初にお示しした、企業数や開場日数を考慮しない単純集計表では、JQで東証1部より1.94倍、マザーズで1.33倍でしたから、いかに新興市場が少ない企業数で多くのストップ高を出現させているかが分かりますね。
まとめ
- 単純集計ではジャスダック銘柄が全体の1/3を占める。これは東証1部の2倍の値
- 単純集計ではマザーズ銘柄が全体の1/4を占める
- 上場企業数を加味したストップ高出現率は、ジャスダックで東証1部の6倍、マザーズで東証1部の10倍である。
- 以上から、新興市場は本則市場よりもストップ高しやすい。
- ただし、ストップ高出現率はジャスダックグロースを除き1%にも満たない。