こんばんは、とらねこです。
今日は、検索ワードとしてよく出現する「ストップ高の翌日」の値動きを予想する手法を紹介します。
どうぞよろしくお願いします。
ストップ高の翌日は心が落ち着かない
このページを見ている方の多くは、次のようなケースが多いのではないでしょうか。
- 保有株がストップ高した
- ストップ高した銘柄の購入を検討している
私自身も保有株がストップ高したときは嬉しい反面、「売ろうかな?」「ホールドしようかな?」と毎回頭を悩ませていました。
また、ストップ高した銘柄は、翌日以降もどんどん株価が上昇していくような気がして「買おうかな?」「やめておこうかな?」と頭を悩ませることも多々ありました。
ですから、ストップ高銘柄が出現したとき、少しでも落ち着いて売買の判断ができるよう、自身の考えを整理するための指針を紹介できればと思います。
翌日の値動きは画一的でない
まず前提として、翌日の値動きは画一的ではないことを押さえておく必要があります。
ストップ高をトリガーとして翌日以降もどんどん株価が上昇していく銘柄もあれば、ストップ高当日の値段が天井となり急下落する銘柄もあります。
数学のように「ストップ高の翌日は●●!」といった画一的な答えがあればいいのですが、投資の世界にはそのような公式が存在しないようです・・・。
この文章を読んで、「ストップ高の翌日の値動きはケースバイケース・・・。結局は運に任せて売買するしかないのか・・・」と考える人もいるかもしれません。
しかし、私はそうではないと考えます。
少しずつ「翌日の値動き」について整理していきましょう。
ストップ高は需給バランスの崩れによって起こる
そもそもストップ高とは何なのか。これを整理することからはじめましょう。
ストップ高とは「当日の値幅制限の最高値であっても、買い手に対して売り手が圧倒的に少なく売買が成立しないこと」を言います。
分かりやすく言い換えると「高値を提示しても、 誰も売ってくれない状況」です。
これをさらに言い換えると「需要と供給のバランスが圧倒的に需要に傾いている状況」という事になります。
ここであらためて、私と皆さんの問いを確認してみます。
私達の問いは「ストップ高の翌日の値動きはどうなるのか」でした。
これを「需要と供給」という言葉を使って表してみましょう。
「ストップ高の翌日の値動きはどうなるのか」
→「ストップ高の翌日の需要と供給のバランスはどうなるのか」
つまり私たちがストップ高翌日の値動きを予想するにあたっては、翌日の需要と供給のバランス(=需給バランス)を予想することが大切であるという結論に至ります。
では、私たちは需給バランスをどのように予想していけば良いのでしょうか?
需給バランスを崩す材料とは
翌日の需給バランスを考えるにあたっては、需給バランスを乱した原因を探る必要があります。
需給バランスを乱した原因(材料)のインパクトが強ければ強いほど、需給バランスの乱れは継続しますし、インパクトが薄ければ薄いほど、需給バランスの乱れは一時的です。
では、ストップ高にならしめた材料をどのように調べれば良いのでしょうか?
方法は沢山あります。
一つ目は、ストップ高した銘柄のニュースリリースを調べる方法です。需給バランスが崩れる直前に会社からニュースリリースがあったかもしれません。需給バランスの乱れは決算説明資料や、業務提携、M&Aのニュースリリースを材料にして発生することが多々あります。ニュースリリースは、利用している証券会社のアプリや、会社のホームページから見ることが できます。
二つ目は、新聞やネット記事を調べるという方法です。会社からのニュースリリース以外でも株価が反応することがあります。日本経済新聞やネットの記事、SNSなどです。ですから、当日の日本経済新聞を読んだり、ネットで銘柄名を調べてみたりして材料を調査するのも良いと思います。
三つ目は、ストップ高の材料をまとめたサイト等を調べる方法です。例えば、株探というサイトでは、その日にストップ高となった銘柄をまとめた記事が毎日掲載されています。その記事ではストップ高にならしめた材料も記載されていることもあるのでとても便利です。手軽さという点では、この三つ目が最もオススメかもしれません。
材料が何か分かったら、次はその材料のインパクトについて考えます。
だいぶ答えに近づいたように感じますね。
材料のインパクトはどの程度か
材料のインパクトの評価は、最も難しい作業だと感じます。
例えば、昨年5月から急騰したALBELT(3906)はトヨタ自動車(7203)との業務資本提携のニュースリリースを材料に急騰しました。トヨタ自動車は日本で最大の時価総額を誇るトップ企業です。そんな企業との業務提携は、ALBELTにビッグチェンジを起こすことは必至で、株価へのインパクトも非常に大きいことが予想されました。
予想通り株価はストップ高を連発し、連発後さらに株価を半年間で3倍にまで押し上げていきました(その後の各種ニュースリリースの影響もあると思いますが)。
このような例は、過去の事例を勉強することで、どのような材料はインパクトが強く、どのような材料はインパクトが弱いか判断できるようになります。
上記例は比較的分かりやすい例ですが、分かりにくい例もあります。
具体例は挙げませんが、決算発表の内容を見ると好決算で翌日ストップ高になるも、実は決算発表前から期待値が高く株価に織り込み済みだったため反応が一時的で株価が伸び悩む例もあります。
このような銘柄は、上記のように材料ごとの過去の傾向を調べるだけではなく、決算発表前の株価の値動きから、織り込み済みか否かなどを判断することも必要となってきます。
まとめ
長文で書かせていただいたので最後にまとめを書かせていただこうと思います。
「ストップ高の翌日の値動き=●●」という画一的な答えを導き出すことはできませんでしたが、当日の心構えは自分の中で整理できたのではないかと思います。
ストップ高の翌日の値動きはどうなるか考える際に意識すること
- ストップ高は需給バランスの乱れにより生じる
- 需給バランスが乱れた理由(材料)を調べる(会社の適時開示やまとめサイト)
- その材料のインパクトを判断する
- 必要に応じて、材料が織り込み済でないか判断する
- 上記判断ができるよう、過去の事例を普段から勉強・復習しておく。