こんにちは、元公務員のとらねこです。いつも本サイトをご覧いただきありがとうございます。
今回のテーマは、公務員の給料。
最近、給料が安いことを理由に公務員を辞める人が増えてきました。しかし、給料の安さを理由に辞めるは止めたほうが良いです。なぜなら、公務員の給料は安くないから。
この記事を読むことで、公務員の給料の多少を知ることができます。
給料が安いと感じる20代公務員はぜひお読みください。
目次
公務員の給料は安くない
結論として、公務員の給料は安くないです。その根拠は、公務員の給料の決まり方によります。皆さんは、公務員の給料を決まり方を、厳密に答えることができますか?おそらく多く公務員が答えられないと思います・・・。かくいう私も現役時代は答えることができませんでした。なので、まずは公務員の給料の決まり方を知ってください。
公務員の給料は規模50人以上の民間企業の平均値
結論として、公務員の給料は、規模50人以上の民間企業の平均値によって決まります。毎年、人事院(地方の場合は人事委員会)が民間企業を実地調査し、4月分の給料を比較。その差額が0.05%以上開くと、民間企業に合わせる形で公務員の給料が決まります。
引用元:令和元年人事院勧告
民間企業には、給料が多い会社もあれば、少ない会社もあります。その平均値が採用されているわけです。それも、規模50人以上です。
一般に、規模50人未満より規模50人以上の方が、各種手当も充実していますから、規模50人以上に限定することによるデメリットは少ないです。
なので、公務員の給料は、民間企業の平均値より、少し上の層に該当すると言えます。にも関わらず、「公務員の給料は低い」と主張するのは間違いです。
公務員の給料が安いのは若いうちだけ
「公務員の給料は安い」と主張する人は、20〜30代の給料を見ているのではないでしょうか。確かに公務員の20〜30代の給料は低いです。手当が少ない人だと、生活が苦しくなることもあります。しかし、その額が一生続くわけではないんです。なぜなら、公務員の給料は、経験年数に比例して増加するから。
公務員の給料は経験年数によって増える
先ほど公務員の給料は、民間企業の平均より少し多いものが貰えると説明しましたが、民間企業の平均給料は年齢とともに右肩上がりとなります。なので、公務員の給料も年齢とともに、右肩上がりとなります。事実、公務員の給料を決める「俸給表」を見ると、経験年数が増えるほど給料が増える仕組みになっています。
公務員の年収は、定年まで働くと2倍になる
それでも納得いかないという人は、公務員の平均年収を見るのが良いです。下記は、地方公務員の年収の推移を表したものですが、年齢とともに年収が増加することがわかります。20代前半と50代後半を比較すると、その差はなんと2倍です。なので、公務員の給料が安いのは最初だけ。粘り強く頑張れば、年齢とともに給料が増加します。
年齢区分 | 平均年収 |
18歳・19歳 | 約343万円 |
20〜23歳 | 約391万円 |
24〜27歳 | 約433万円 |
28〜31歳 | 約481万円 |
32〜35歳 | 約535万円 |
36〜39歳 | 約601万円 |
40〜43歳 | 約667万円 |
44〜47歳 | 約715万円 |
48〜51歳 | 約748万円 |
52〜55歳 | 約775万円 |
56〜59歳 | 約796万円 |
転職活動をすれば公務員がいかに恵まれてるか分かる
ここまで、給料の決まり方、給料の推移、市場が見る公務員の給料をお見せしてきましたが、それでも「公務員の給料が安い」という感覚が捨てられない方は、一度転職活動をしてみるのがいいです。いかに公務員の給料が恵まれているか分かります。
この記事を書いてる私も、公務員からの転職活動を行った経験があります。実際に面接を受けてみると驚きますよ。公務員の給料の2/3くらいになります。もちろん、ボーナスは4.5ヶ月分も貰えるわけないですし、住居手当や通勤手当も公務員ほど充実していません。私は当時すでに妻子がおりましたので、「2/3なんて絶対無理!」ということで転職活動を挫折しました。
この経験から、条件面を理由に公務員を辞めるのはいかに愚かなことかを学ぶことができました。嘘だと思う人は、実際にチャレンジしてみてください。
どうしても給料を増やしたいのなら、公務員間転職がおすすめ
とはいえ、今給料が安いと悩んでいる事実は変わりませんよね。それなら、公務員間転職がおすすめです。公務員の給料は一律同じと思っている公務員も多いですが、実は一律じゃないです。
地域手当の有無で年収に100万差が生まれることも
例えば、地域手当。地域手当は民間賃金の高い地域に支給される手当ですが、支給されない自治体もあれば、給料の20%支給される自治体もあります。給料が30万の公務員なら、それだけで月6万円、収入に差が生じるわけです。地域手当はボーナスの計算にも加算されますから、ボーナスが4ヶ月分とすれば年間で96万円差が生じることになります。年収100万変わるわけですよ。やばいですね。
ボーナスの支給月数の違いで年収に24万差が生まれることも
またボーナスにも差があります。2019年4月時点だと、4.6ヶ月分支給される自治体もあれば、4.0ヶ月分しか支給されない自治体もあります。こちらも、月給が30万の公務員なら、それだけで24万円収入に差が生じるわけです。
公務員の年収ランキング
じゃあ、「どこの団体の給料が多いんだよ」という質問があるかもなので、最後に公務員の年収ランキング(2019年4月1日時点)を掲載して終了します。
都道府県庁の年収ランキング
トップ5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 東京都 | 41.7歳 | 721.0万円 |
2 | 大阪府 | 42.3歳 | 696.0万円 |
3 | 愛知県 | 41.7歳 | 695.2万円 |
4 | 神奈川県 | 43.3歳 | 693.8万円 |
5 | 三重県 | 44.6歳 | 692.3万円 |
ワースト5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 沖縄県 | 41.1歳 | 589.1万円 |
2 | 青森県 | 42.9歳 | 600.7万円 |
3 | 高知県 | 42.9歳 | 607.7万円 |
4 | 鳥取県 | 44.2歳 | 607.8万円 |
5 | 宮崎県 | 43.2歳 | 614.6万円 |
都道府県庁ランキングの完全版は以下をご覧ください。
政令指定都市の年収ランキング
トップ5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 川崎市 | 41.5歳 | 736.0万円 |
2 | さいたま市 | 40.1歳 | 735.7万円 |
3 | 神戸市 | 42.4歳 | 733.8万円 |
4 | 大阪市 | 43.4歳 | 724.6万円 |
5 | 名古屋市 | 41.1歳 | 724.4万円 |
ワースト5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 福岡市 | 40.0歳 | 673.3万円 |
2 | 熊本市 | 42.3歳 | 658.4万円 |
3 | 浜松市 | 42.5歳 | 643.2万円 |
4 | 新潟市 | 41.7歳 | 633.2万円 |
5 | 札幌市 | 40.3歳 | 613.0万円 |
市区町村の年収ランキング
トップ5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 浦安市(千葉県) | 43.5歳 | 765.3万円 |
2 | 厚木市(神奈川県) | 43.2歳 | 764.6万円 |
3 | 印西市(千葉県) | 43.7歳 | 757.0万円 |
4 | 豊田市(愛知県) | 41.5歳 | 753.8万円 |
5 | 武蔵野市(東京都) | 41.4歳 | 749.8万円 |
ワースト5
順位 | 都道府県名 | 平均年齢 | 平均年収 |
1 | 青ヶ島村(東京都) | 42.3歳 | 441.0万円 |
2 | 小菅村(山梨県) | 33.3歳 | 441.6万円 |
3 | 新庄村(岡山県) | 35.1歳 | 450.2万円 |
4 | 大鰐町(青森県) | 37.7歳 | 457.2万円 |
5 | 音威子府村(北海道) | 38.5歳 | 459.8万円 |